地獄少女1〜8

地獄少女(1) (講談社コミックスなかよし)

地獄少女(1) (講談社コミックスなかよし)

地獄少女(8) (講談社コミックスなかよし)

地獄少女(8) (講談社コミックスなかよし)

アニメになった漫画……じゃなくて、アニメの漫画版を読んでみたシリーズ。アニメは見たことないが、何度もテレビ欄で見たのでたぶん面白いのだろう。と思ってレンタルしてみた。毎回主人公は変わる形式の一話完結もの漫画で、基本パターンは学校にいつの間にかいる無口な黒髪の同級生が実はうわさ話に登場する地獄少女で、毎回主人公を虐める相手を地獄送りにする、という吸血鬼美夕かブギーポップを人間側から見たような漫画。主人公が地獄通信にアクセスするきっかけになる事件の起こる少し前、主人公が誰も恨んでないときにも、『この子、話したことないけど、いつからいるんだっけ?』という流れで地獄少女が主人公の周りにいるのは、依頼者がでそうな雰囲気を感じ取ってるんだろうか。美夕っぽく感じるところ。

とくに最初の二冊は三十がらみのオッサンが読むには、小学生高学年から中学年を対象にしてる「なかよし」の漫画ってことで、さすがに精神的に負担が大きかった。基本的に1回完結、長くて2回完結の短編集なのだが、1回のストーリーの短さに起因する展開の唐突さと萌えキャラなんて目じゃないレベルの登場人物の目の大きさに読んでいてクラクラする。

いま、数えてみたら毎回36頁はあるんだな。……一話36頁って短くないよね。なんで、こんなに一話の頁数が足りないように感じるんだろう。コマが大きいからかな。小学校高学年の子がわかるような悪人を、パターンを変えながら次々と登場させるのはちょっとすごいと思った。

おー、4冊目あたりから、かなり読めるようになって来たよ! だいたい4ヶ月に1冊ペースででてるから、連載から一年四ヶ月目ぐらい? からは、「うわ、頭に比べて目玉でっけ」というクラクラ感がかなり軽減されて読めるよ!
頁数は変わらないんだけど、ちゃんと毎回起承転結があるようになってきたし、ひたすら目玉がでかかった絵柄も、最初に比べるとだいぶ違和感がない頭の形になってきたような気がするよ。「なかよし」連載なので、悪役がそんなに悪いことしてなかったり、主人公の悪党に対する恨みがそこまで強くなかったり、依頼者の勘違いで指名したときも非常にあっけなく地獄送りになるので、そんなことでいちいち地獄に送らなくてもいいんじゃないか、と思わんでもない。
でも、女子中学生が集団で監禁されて裏モノのDVDの撮影を強要されて〜みたいなえげつない話を、よく「なかよし」に連載したなあ。と思ったが、しかし、監禁されてるのに携帯電話もってて地獄通信に依頼送れるってどういうことよ。監禁する方も、携帯電話ぐらい最初に取り上げろよ。

なんと、7冊目、8冊目となると、普通に面白いですよ。いじめは序盤からあったけども、引きこもりニートとか、遊女とか普通に描いちゃうんですね。1〜2冊目を読んだときには、1頁ごとに絵柄の強烈さにクラクラしていたのが嘘みたいだ。9冊目でいったん終わりらしいので、次のレンタルが楽しみ。

なるほど『恨みの多寡に関わらず地獄送りになること』自体も、作品テーマのひとつなのね。