東京アンダーグラウンド 1〜14

かなり面白かった。アニメになった漫画を読もうシリーズ。
以前、東京がどーたら、こーたら、というSRCシナリオを書いたときに手に取ってみたものの、その時には終わる様子が全くなかったので放置していたら、いつの間にか完結していた。という作品。作画の変化が著しい。とくに、7巻と8巻の間でがらっと変わったので驚いた。まあ、中盤、本当にキャラクターの見分けがつかなかったので、良い方向にかわったのだと思う。

東京の地下世界「アンダーグラウンド」を維持する治安組織「公司」から逃げ延びてきた女の子ルリと、剣術高校生主人公ルミナの出会い、平穏な日々。アンダーグラウンドの追っ手の手により、死んだルミナはルリの力で黄泉がえり、さらに「風」を操る程度の能力を手に入れた。しかし、「公司」のボス格二人の追っ手によって、ルミナは破れ、ルリはアンダーグラウンドにさらわれてしまう。ルミナはルリの護衛チェルシーと友人メガネ君の四人で、「アンダーグラウンド」の「公司」へルリ奪回のため赴くのだった。途中、「公司」の刺客と戦ったり、「アンダーグラウンド」で出会った仲間がいたり、チェルシーとルリの回想が入ったりしつつ、橋の上でルリを助けられた!と思った瞬間、敵ボスにルミナが一蹴されたり、とかなんだりかんだり。……これ、ブリーチのソウルソサエティ編じゃね? 『異世界からやってきた女の子と主人公の出会い→主人公が自分が蘇生するのと引き替えに女の子に戦闘能力を与えられる→女の子が来た世界の連中に連れ去られる→主人公が異世界に追っていく→異世界でも色々人間関係があったり、組織も一枚岩じゃなかったり→おのおのが過去を振り返ってみたり』というストーリー展開が。

というか、ブリーチのソウルソサエティ編って、本当に神掛かっていたなあ。あそこで上手いオチをつけれていれば、後世に名前の残る作品になったろうに。閑話休題

本作は、ソウルソサエティ編の勢いのまま、完結した漫画である。完結した、というか、完結させられた、という雰囲気は若干漂う終わり方だが、まあハッピーエンドはきっと正義なのだ。
概ね完結しているが、最後の最後が恐ろしく駆け足で、あと1〜2冊ぐらい欲しかったところ。主人公が自分の剣の精と対話する場面がなかったのが、最後まで主人公が敵ボスに勝てなかった遠因かもしれない。というのは冗談だが、そういった「主人公が、完全に格上の敵を倒してもいい理由付け」のシーンを挿入する時間さえあれば、もっといい終わり方になったような気もする。
というか、本当のところ、読んでいて何度か「展開が駆け足だなあ」と思うことがあったので、最後の終わり方については、あんまり気にしないことにする。終わったというのは偉大なことだ。でも、白龍は最後、なんで死んだんだろうなあ。チェルシーが自分もろともに押しつぶしたん? など、終わり方におついては思うことは尽きない。
前半は清く明るいバトルアクションだったのが、終盤、グロくて痛そうなダメージ描写に移っていったのは、同じガンガンコミックスの鋼の練金術師かなにかの影響か。チェルシーの後輩二人のキャラ付けは、トライガンのミリメリっぽいなあ。あと、やっぱり味方に死者を蘇らせる程度の能力を持った人間がいると「死んでるけど生き返るから」的な発想をするのが怖いなあと思った。終盤で急いでいるのは分かるけど、もうちょっと悲しんでやれよ。
あと、チェルシーはいくつなんだろう、と思ってwikipedia見たら十九歳と書いてあって驚いた。どうみても十五歳の主人公と同年配に見えるんだけど。それにしたって、なんか、若者一人の回想にしては、背景世界の始まりから主要な転回点まで網羅されているなど、色々盛りだくさんすぎて、とても十代の女の子の回想とは思えないんだけど。……なんかの漫画でも、なんかこういう感想をいだいたことあるなあ。なんだっけ。まあ、ルキアさんも回想が長かったけど、あの子は人間じゃないからなあ。クロノクルセイドのクロノかなあ。それも人間じゃないけど。ああ、漫画『スクライド』のシェリスとか箕条とかか。