ジェニーの肖像

ジェニーの肖像 (創元推理文庫)

ジェニーの肖像 (創元推理文庫)


梶尾真治の「時尼に関する覚え書」より、笹本祐一の「美夜の肖像」の方を先に(高校生の時)読んだ私ですが、結局その後十年にわたって、元ネタである「ジェニーの肖像」は読んでませんでした。


ふと本屋に立ち寄ったら、ぽん。と置いてあったので衝動買いしてしまいました。
後書きが、恩田陸だったし。あと、小娘オーバードライブが新書版になってたし。
ジェニーの肖像」を下敷きにした小説としては、恩田陸の「ライオンハート」も面白かったし。


本書を読んだ後、SRCシナリオ「誰も知らない戦争」を作って以来、七年ぶりくらいで「小娘オーバードライブ2」の後書きを読み直したら、笹本祐一が元ネタにしたのはこの小説ではなくて映画だったことが判明。へー。


名場面探索隊−ジェニーの肖像
http://www.hf.rim.or.jp/~noble/tansaku/jennie.html


孤独で売れない画家の青年がある日町であった小さな女の子ジェニー。
彼女と翌週再開したとき、ジェニーは前に出会ってから三年も年をとっていた。
それからも再会するたびに、ジェニーは少しずつ成長していき・・・・・・


というあらすじなのですが、自分が読んだ順番から、「美夜の肖像」→「ふたつのスピカ」みたいなハナシなのかとすり込まれていましたが、なにしろ戦前の小説なので純粋なファンタジーでした。


後書きで恩田陸が書いたように、非常に地味な古典ではありますが、読後感のもの悲しさはけっこうくるものがあります。
これを読んだ後、梶尾真治が無理矢理にでもハッピーエンドに持って行く小説を読みたくなりました。