ブレイブストーリー(下)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

そろそろ、電車の中で涙目になってるのはヤバイだろう。30も近いんだし。
面白かった。読んで良かった。できれば、中高生のときに読みたかった。

まっとうな、男の子の成長物語。ゲーム『グランディア』のジャスティンや、マンガ『からくりサーカス』の勝が格好良かったのは、巨大な敵に勝ったからじゃなくて、その辺の無鉄砲なガキや、びいびい泣いてた子どもが、大勢の大人に会って別れていくことで、ちゃんと育っていく過程に力があるのだと思う。


読みながら、むかしむかし、やっとの思いでロンダルキア高原にたどり着いた時の高揚感を思いだし、遊びに来た友達を待たせておいて、三時間かけて暗闇の雲と戦ったときのことを思い出し、血まみれの絹を助けに戻ったことを思い出し、ギーグの前で「いのった」ことを思いだし、スーと鏡の前で手を振って別れたことを思い出した。それは全て現実には何の意味も持たないことだったはずだけれど、おそらく本当の所は、そうではなかったと思う。これは、僕たちがかつて過ごした『ゲームに関する』小説だ。と思う。


とりあえず、今年の暫定トップ。
だが、アニメを見るのはかなり怖い。この「時間をかけた成長物語」が、二時間程度で収まるとは思えない。テレビシリーズ向けの話だと思うんだけどなあ……