ワンダースリー (Kanon) Ⅰ、Ⅱ

Kanon アナザーストーリー WONDERTHREE(1) (CRコミックスDX)

Kanon アナザーストーリー WONDERTHREE(1) (CRコミックスDX)

主人公、相沢祐一は超能力者である…… 彼はすべてを知った上で、七年ぶりに街に帰ってきた。魔物退治と自然動物保護と除霊のために。という、全三巻からなるkanon二次創作漫画。
ちなみに、上の表紙絵の左が祐一、右があゆである。ぱっと表紙をみて、カノンと書いてあっても、中身をみるまで今アニメをやってるkanonの事だと思わなかったのもむべなるかな。

立ち読みしてⅠ冊目の最後の漫画がて面白かったのと、100円均一コーナーにあって安かったんで、タイムリーなネタだし、と思って古本屋で買ってみた。Ⅱの最後の話がちょうど舞シナリオ後半再現で、ぬいぐるみ(くま)を抱えた佐由理が切られるシーンとか、舞の回想とかが…… タイムリーですよ。アニメだとアリクイだけど。


原作に寄っかかった独特の読みにくさが二次創作だなあ、とは思うものの、Ⅱの栞のエピソードとか、Ⅰ冊目の最後の名雪と佐由理先輩の対決(「私はただ、(舞と祐一の)二人には幸せになって欲しいって」「二人には? それは誰のかわりに?」)とか、独立した漫画として結構読める。「これ、大判焼きだよ」「似たようなもんだろ」とか、「高校生がリボン? なにかたくらんでいるのか?」「一人称が名前?」とか、ギャグも結構好き。なにげに「うぐぅ」とか「あうー」とか、「あははー」「嫌いです」とか特徴的な台詞が少ないこと、あの上着とスカートが一体化した妙な制服がほとんど出てこないことで原作の色がかなり薄くなっており、読みやすくていいと思う。

髪を引っ詰めた舞とか、元ゲームともアニメともデザインが全く異なる祐一とか、新鮮でよかった。絵柄のせいか、カラーでないせいか、名雪と香里の見分けがつかなくなる(二人とも同色のトーン。香里は微妙に髪にウェーブがかかっている)ことが多かったのは残念だが、名雪と香里、祐一と北川の四人の描き方とかは今やってるアニメより好みだ。「祐一と北川と水瀬一家は超能力者」という設定で突っ走ったためか、超越者ばっかりになってる気もするが。


ときどき、すごく面白いのに、大半はコマがとても読みにくいのが残念。舞台は函館のようだが、時々横浜(みなとみらい)に見える。