トリノホシ B-Route

SF異星冒険探索&フライトシミュレーションゲーム。鳥の群れを観察しつつ、食料を求めて飛び回り、乾燥食料の山を作るのが目標のゲーム。南廻りルートで、目標地点の探査基地まで到着。残るは北廻りルート。
システム的には数多くの欠点があったし、絵面の面では、のっぺりしたポリゴンの背景にPS2の限界を感じるゲームだった。フライトシミュレーションのくせに山や丘部分の相対的な高低差が分かりにくく、一人称モードで飛ぶと前方はよく見えるが周囲がまるで見えない(後方160度くらい後ろまでしか見えない)ので真後ろから<竜>に襲われるとひとたまりもないし、三人称モードだと周囲は見えるが、キャラクターが向いている方向はよく見えないため、キャラクターがどっち向かって飛んでるか把握しづらく、飛行すべき方向を容易に見失う。しかも、この二つの飛行モードを切り替えるためにメニュー階層が深く、操作感が全然違うものになるため、せっぱ詰まっている時に簡単に置き換えられるようなもんでもない。セーブデータのロードは無茶苦茶長く、「NowLoading」が2分くらい続いた後で、黒い画面が1分くらい続いてからようやくゲームに入れる状態で、ゲームオーバーに頻繁になる終盤は本当に泣きそうになる。グライダーという設定のせいか、マップの広さに対して飛行速度は極めて遅く、特にドッグファイトをするわけでもないので、目的地まで実時間で五分、十分と、延々とただ飛び続けるハメになることが多々ある。イベントが発生すると、飛んでいる最中でも画面上をキャラの絵が覆い尽くし、サブメニューも出せなくて、操作も一部受け付けなくなるので、墜落しそうな時にイベントが発生すると、本当に墜落する。というか、カメラで写真をとると2〜3秒ボタン入力を受け付けなくなる仕様は本当になんとかしてほしかった。

でも面白かった。
「なんで地球の歴史なんて勉強してるんだ?」「地球の歴史じゃなくて、人類の歴史よ。これだから地球人は」みたいな会話は『回帰祭』にもあったなあ。SF要素てんこ盛りだし、ストーリー本体も面白い。ヒューゴーという主人公の名前も、ヒューゴー賞から取ったのかなあ。出会いと別れと、チャレンジと危機と。鳥の群れを追って、風に任せて飛ぶのも面白かったし、スコールに襲われてキャンプから身動きできずにジリジリと食料が減っていくのも楽しかったし、まったく対抗手段のない<竜>からうひゃうひゃと逃げ回るのも面白かったし、降りしきるブリザードの中で、飛び立っても前に進めず、乏しい食料が尽きて死にそうになるのも面白かった。

というか、スタッフロールを見て、初めてどのキャラクターにも声がついてないことに気がついた。あ、あれ? なんどか、カールやエミリー、ヒューゴーがしゃべってるの聞いたような気がしてたのに。ムービーや止め絵なんて軟弱なイベントは合計でも3、4個しかないため、イベントはほぼ全部会話劇なのだけど、そのダイアログがかなり良かった。

次はA-Routeをやってみようと思う。